しゅーまいの日常。

社会人。26歳男。理系。

お寺で座禅体験        住職が教えるマインドフルネス 京都建仁寺 両足院

お寺で座禅体験ができる建仁寺の両足院へ行ってきました。

 

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建仁寺 座禅体験


この体験会で座禅、マインドフルネスを実行することで、なぜ集中力が向上するのか、なぜ気持ちがコントロールできるようになるのかが少しわかった気がするので、備忘録として体験内容をまとめました。  

(※記憶を辿って書き起こしたので、住職の語った言葉とは、異なる場合があります。興味を持った方はぜひ参加してみてください。)

  1. 体験内容
  2. 座禅とは
  3. 座禅のコツ パート1 自分の外側の感覚を捉えよ
  4. 座禅のコツ パート2 自分の内側の感覚を捉えよ
  5. 感想
  6. アクセス

1. 体験概要

場所:京都建仁寺 両足院 

坐禅体験|京都建仁寺塔頭両足院|座禅体験・庭園の特別拝観(特別公開)・樹木葬

ryosokuin.com

 

定員:50名程度(私が行った時は、平日月曜日で7名でした。)

所要時間:90分

志納料:2000円

 

2.座禅とは

遥か昔、ブッダは長時間の精神統一、座禅により、悟りをひらきました。これにより人生の苦難に向き合い、それらを解脱したブッダはその考えを世に広めました。一方で、悟りは言葉で言い表せないものとし、長時間の座禅によって体験する以外に方法はないとしました。このことから、仏教ではブッダの悟りを追体験するために、座禅を組み、悟りに向けた修行に励んでいるそうです。

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最近では、座禅はマインドフルネスという言葉で全世界で親しまれており、長期間の練習により、集中力の向上や、気持ちのコントロール能力の向上が見込めるなど、ちょっとしたブームとなっています。

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3. 座禅のコツ パート1 自分の外側の感覚を捉えよ

 住職「まずは、体の外側の感覚に集中してみましょう。思った以上にいろんな事があなたの身の回りで起きています。鳥の声、飛行機の音、人の話し声、木々が風で揺れる音、隣の人の呼吸の音、、、他にも数えられないほどの音がします。」

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建仁寺 両足院 中庭 ここで座禅を組む

 

住職「やってみてどうだったでしょうか。実にさまざまな事が身の回りで起きていることがわかります。そして鳥の声を聞こうと思えば、鳥の声を聞くことができ、風の音を聞こうと思えば、風の音を聞くことができたでしょう。鳥の声を聞いている時でも、風は吹いているし、飛行機も飛んでいます。しかし、人は鳥の声に集中することで受け取る刺激を選択し、それを優先的に受け取る事ができます。

 これは、自分の興味のあることに目を向ければ、その情報を集中して得ることができるということです。逆にいえば、人は自ら動いているつもりでも、実は外界からの刺激を受けたことで、反射的に動いてしまっていることも多いのです。例えば、美味しい揚げ物の匂いてお腹が減り、ダイエット中でも食べてしまう。など、、、そこで、これら外からの刺激により、自身の行動が支配されていることを知って入れば情報を取捨選択し、すり替えることで自分の行動をコントロールができるようになるのです。

 そして、自分の集中に波があることにも気づいたでしょう。集中したと思ったら発散し別のことをつい考えてしまい、そしてまた集中する。この波に気づくことで、第三者的に自分の集中を把握することで、集中が途切れたことに気づき、再度集中に入ることができるのです。慣れてくればさらに長時間集中することをコントロールできるようになります。」

 

4. 座禅のコツ パート2 自分の内側の感覚を捉えよ

住職「今度は、体の内側の感覚に集中してみましょう。まずは、指先の感覚に集中してみましょう。どんな感覚がしますか?少し熱をもった感じ、風を感じる、爪が冷えるような感覚、一人一人違うでしょうが、指先だけでもさまざまな感覚を感じています。

 この中で蚊に刺された方はいらっしゃいますか?もし刺されていたら、それはチャンスです。実は住職になるには、最低でも3年間の修行生活が必要です、そしてその修業生活では1日に6時間もの座禅の時間があるのです。この座禅の時間に蚊に刺されると、集中したくても集中できない、掻きたくても掻けない(うごくと棒で叩かれる)ので、修行僧にとっては死活問題です。ましてや、このお寺には蚊がたくさんいるので、4箇所ほど蚊に刺されるのは当たり前でした。なんとかしないといけないと思い、痒みを気にしないよう心がけたのでしたが、逆に意識してしまい、ついに掻いてしまい叩かれることが何度もありました。

 

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そこである時私は、かゆみに逆に集中してみることにしました。するとどうでしょう、痒みはただ痒いという感覚だけではなく、皮膚が熱を持ったり、なんだか触りたくなる独特の感じがあったり、逆に快感のような感じもあることに気づいたのです。そこで私は、蚊に刺された際は、快感の感覚に集中することをやってみました。これにより、かゆみよりも快感の感覚に集中でき、掻かずに済むようになりました。掻かずに済むようになると、蚊に刺されてから、痒みがなくなるまでの感覚がわかるようになるのです。このくらいでかゆみが強くなり、10分程度過ぎると痒みが収まっていくと。実はこのかゆみのストーリーを知ったことで、私は蚊に刺されていたとしても、集中することができるようになっていました。今では快感に集中することもせずに、蚊に刺されても別に気にならずに集中できます。

 このことから、自分がどうしても気になることは遠ざけようと、無視しようとするのではなく、むしろ徹底的に向き合うことで、感覚のストーリーが理解でき、これによって無視できるようになるのです。これは自分の悩みでも同じことです。答えのない問だとしても、徹底的に向き合い、自分自身に問い続けて、何度も答えを出すことで、自分の中での考えのストーリーが出来上がっていく。そしてそのストーリーを理解していればもうあなたはその問題について考える必要はなくなり、自然と無視できるようになるのです。なぜなら、その考えが行き着く先は調べ尽くしたことを知っているから。

 これは怒りの制御にも使えます。怒りの中にどんな感覚があるのか、まずはそれを分析し、噛み砕く、そこに痒みの快感のようなものがあれば、それに集中する。そして怒りのストーリーを理解する。自分の感覚のストーリーを理解すれば、自分の行動が選択できるようになるのです。それでは、各々好きな場所に行ってかまわないので気が済むまで座禅をしていってください。」

 

5. 感想

今回の体験会を経て、自分のマインドフルネスに取り組む際の考え方が変わりました。

講習を受ける前のマインドフルネスでは、ただ“呼吸に集中する”ということを実践していましたが、集中することが大切なのではなく、集中が切れたことに気づくことで、自分の集中の波を第三者的に捉える感覚を掴み、これにより集中を継続させることでした。

また、マインドフルネスで自身の感情のコントロールをするためには自身の感覚に向き合い、これを分析、細分化することでストーリーを理解をし、これにより俯瞰的に感情と向き合うことができるようになるため、コントロールが可能になるということだった。

 今回の体験会では頭でマインドフルネスによって自分の行動が制御できるようになる構造を理解をできました。しかし体で理解ができるまでには相当な時間がかかると思いました。(修行僧は1日6時間の瞑想を3年間もやるので、、、)自分はそこまで時間を取れるわけではないですが、少ない時間でもコツコツ続けていき、少しでも理解できるようになれればと思います。

そして、マインドフルネスを始めたけど、いまいちよくわからない、、という人にぜひ行って欲しいです。

 

6. アクセス

近くのコインパーキングに車を置いたのですが、建仁寺の入り口と、両足院の入り口が分かりずらかったので、建仁寺の入り口と、両足院の目印を載せておきます。

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建仁寺入り口

 

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両足院入り口 二つの灯籠が目印